レンサバの話を何か!というタイトルだけ考えていて1営業日前になってしまったので、焦って書き始めました、谷口です。いつも色々見てくださってありがとうございます。今回はレンタルサーバーの会社がやっているメディアをいくつか紹介して、オウンドメディアで記事を書くモチベーションや存在意義などについて考えてみました。
レンサバ会社のメディア
SEOは良質なコンテンツ!と前職時代から叩き込まれていたのもあり、入社してしばらくしてから立ち上げたのがさくらのSSLのコラムコーナー。これ効果がエグくて訪問ユーザー何倍にもなってるんですが、SSL証明書の売上は何倍にもなるわけありませんよね。オウンドメディアやろうとする人は流入がそれまでのコンバージョンレートで金になるなんて考えちゃだめですよ。というわけで、最近は他のレンタルサーバ会社でもブログをやっているのでいくつか探訪してみました。
エックスサーバーさん
エックスサーバーさんでは初心者のためのブログ始め方講座ということで初めてブログで収益を得たい!っていう人向けの記事をたくさん集めたサイトをやられているようです。ブログで本当に副業できるの?とか、売れるアフィリエイト商材は?とか、とにかくお金の匂いがすごい(笑)。僕も個人でアフィリエイトサイトをしているので非常に参考になります。いつもありがとうございます。
アフィリエイト初心者が月3万・月5万を稼ぐコツ10個 この記事見て衝撃を受けたんですが、月1万PVあれば3万円稼げるらしいです。僕のアフィリエイトサイト月15万PVぐらいあるんですが 全然そんな無いです。修行が足りないですね(たぶん好きなことやってるので商材が悪い)。
ロリポップ(GMOペパボ)さん
僕も大好きなロリポおじさんのロリポップさんでは教えて!レンタルサーバーのことというサイトをやられています。このページ、なんとWordPress×Gatsbyなんですよね!こりゃチートだぜ。内容はエックスサーバーさんと毛色が違ってて、知らないじゃ済まされない!押さえておくべき著作権法・薬機法・景品表示法とか、その情報届いてる?Twitterを使い尽くすために、もっとTwitterを理解しよう!とか、コーポレートサイト運用にも活かせる実用的な内容の多いこと。こちらも愛読させてもらっています。薬機法、大事ですよね!僕も通販サイトで働いていたときは「翌朝ドカン!」「周囲がスッキリ!」みたいなの死ぬほど見てました。薬機法は婉曲表現の宝石箱です。
と思ってると、唐突に月500万稼ぐブロガーが解説!ブログを立ち上げる手順5ステップ とかも出てくるので、なるほど最近はそっち方面にもなんですねーと思いました。個人的にはA8.netから届く狂気の歌詞が載ったメルマガが好きなんですが、最近来ないので寂しいです。
カゴヤさん
カゴヤさんのカゴヤのサーバー研究室は最も弊社と方向性が似てます。弊社と同じくレンタルサーバ(共用サーバ)以外にもクラウドコンピューティングやVPSなど幅広くサーバサービスを提供していることもあり、VPS + Docker で トレンド技術を使いこなす【 第4回: サービス単位でコンテナ環境を管理する 】や、[5分で理解]GPUとは?CPUとの違いや性能と活用 といった管理者権限系のサービスにも踏み込んだ内容でこれもまた読み応えがすごい。いろんなキーワードで1位表示されているので目にしたことのある方も多いハズ。
で、こういうメディアって効果の程はどうなん?
当社でもさくらのホームページ教室というコラムサイトを立ち上げておりまして、あとは上にも書いてますがSSLのコラムやさくらのナレッジ、さくマガなど、多数メディアを運営しています。担当外もあるので、レンサバ、SSLのコラムに関して言うと、以下のポイントが挙げられるかなと思います。
売上はあまり期待しない/技術系の記事は調べて書くのとレビューが大変/タイトルや内容のリライト等更新が結構面倒/アイキャッチ画像の制作が大変等のデメリットが挙げられる一方、公式情報が発信できる/古い機能の説明や評価が残り続けるのを避けて最新の情報を提供できる等のメリットがあるかと思います。当たり前ですが、記事をフルで外注すると割りに合わない気がしますし、特に技術系の記事をまともに書ける外注先となるとさらにレア&高価になるので可能な限り社内でまかなうのが良いかと思います。
あとは、既存のアフィリエイターさんが書くような内容をそのまま載せてしまうと、せっかく広告を貼っていただいている方に申し訳ないので、そのあたりはあまりバッティングしないように調整する必要もありますね。当社のレンサバコラムではホームページ運用をしている方向けのマーケティングっぽい記事や当社レンサバ固有の機能に関するお役立ち記事を掲載するようにしています。
書いたことは自分の知識になる
SSLコラムはほぼ毎月自分がライティングをしています。ターゲットがエンジニアではなく企画やWeb担当のディレクターなので、特に技術系の記事を書くときは技術を勉強するとともに、いかにそれをわかりやすく説明するかという過程で自分の勉強にもなるのが記事コンテンツのメリットかもしれません。勉強する上で技術書は欠かせないものですが、基本的にこの業界の本はエンジニアが実装するときに使うものか初心者向けの簡単なものか、両極端なものが多いなかでSSLコラムではラムダノートさんのプロフェッショナルSSL/TLSに大変お世話になっています。TLS1.3版が出たらまた買います。一部Webサーバへの実装方法などの部分もありつつ、PKIの歴史からTLS通信の詳細まで語られているのがすごく参考になり、あの部分ってどうやって説明すりゃいいのかな?と思ったときにはほぼ確実に答えを教えてくれる名著だと思います。ちなみに、本家の方でBullet Proof SSL Newsletterというのを配信していて、毎月1回世界のTLS事情をまとめてくれています。これもネタ出しに最適です(本買ってなくても見れます)。
また、最近第2版が出たO’ReillyのReal World HTTPもオススメです。ものすごく詳しく知りたいわけじゃないんだけど、Web周辺の技術を総なめできるのがまさにこの仕事にピッタリ。一通り読んで理解すると、Webサイトのリンクを押してからサイトが表示されるまでに何が起きるのかが理解できますし、CDNやTLS、セキュリティについても幅広く触れられているのが良いです。これ、ディレクターやデザイナーであまりHTTPとかセキュリティに詳しくない方にもおすすめなんじゃないでしょうか?
最近はネットワーク系がちょっと弱いなぁと感じているので、マスタリングTCP/IPを買ってみました。正月休みに読みたいと思っています。
サポートサイトとは違う取り組みができる
こういったコラムはサポートサイトとはまた別の情報発信ができるのでそういった面で役立っています。特に自社で開催したイベントを記事化するような場合、サポートサイトやコーポレートサイトのリリースは適しませんが、コラムのようなコーナーでは雑多な話題を扱えるのでいいですね。
最近、Webサイトのフォームの機能を悪用したスパム送信に関する記事を書いたのですが、これも今まではコーポレートサイトのお知らせだけで終わらせていたものを、より詳しく説明することができるようになって非常に有益です。特にセキュリティ系の告知は誤解を生んだり理解を深められずに終わってしまうことも多いのでそのあたりをフォローできるのが素晴らしいですね。
これからやるならサブディレクトリで!
もし、これからオウンドメディアや記事コンテンツを作ろうと思っている方は、ぜひともサブドメインじゃなく、サブディレクトリでやるのを忘れないようにしましょう。サブドメインは別サイト扱いになってしまい本体サイトのクオリティ向上に寄与しません。サブディレクトリに記事を入れることによって同じサイトのコンテンツとみなされ本体サイトの評価を高めることができます。
余談ですが、レンタルサーバの多くで初期ドメイン(当社の場合 *.sakura.ne.jp )を提供しており、そのサブドメインを使うとほかサイトのオーソリティ?を分けてもらえるという噂?がありますが、冷静に考えて別個のサブドメインでお互いに影響しあうとしたら問題(ネガティブなコンテンツ作りまくったら別のサブドメインにSEOスパムできるとか)なので、たとえ今そのような効果があるとしてもサブドメインでサイトをやるのは、お金がかからないという利点はありますがSEO的な効果を求めてやることではないと思います。あと、僕が言うのもなんですがレンサバ引っ越しがやりづらくなるので独自ドメインを取得する方がおすすめです。
というわけで今回はレンタルサーバのメディアの話でした。ありがとうございました。